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すえきおおがめ
丘陵の崖や急斜面の中腹に穴を掘ってつくる横穴墓(横穴古墳)が、石川県内では6世紀後半から7世紀にかけて、数多く造られている。とりわけ珠洲市では、横穴墓が集中しており、200基以上が確認されている。内部の構造は、高塚古墳(土盛りをして築いた古墳)の横穴式石室と同形態で、群集墳の一種とされているが、高塚古墳と区別するために横穴墓の名が与えられている。
向林2号墓からは、直刀、鉄鏃、須恵器が出土した。この大甕は、羨道(せんどう)に据えられていたもので、県内でも例を見ない大型品である。