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牡丹図大徳利
正院色絵牡丹図大徳利
しょういんいろえぼたんずおおどっくり
- 器高22.0cm、口径4.5cm、胴径16.0cm、底径9.0cm
- 19世紀(江戸時代末)
円錐状に開く底部をもつ大ぶりの体部に、包み込むように描かれた牡丹と、丸と点で地紋をつぶす九谷風の絵付けがなされる。正院焼の陶土は鉄分を含み赤黒く発色する素地が多く、そのため釉色も暗く濁った傾向があるが、本品では白っぽい素地が使われており、比較的抜けの良い発色となっている。
陶土の採掘場所は、蛸島町上田坂という説もあるが、明らかではない。少なくとも磁器風の白っぽい陶土は珠洲産のものではなく、九谷などから取り寄せたものであろう。