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平成30年度 普通会計決算状況
地方財政状況調査(決算統計)について
決算統計は、「地方自治法等の規定に基づく地方公共団体の報告に関する総理府令」(昭和28年)に基づいて、毎年各自治体で定期的に作成されるものです。実務的には毎年5月の総務省による説明から始まり、それぞれの結果は7月末には総務省に報告されます。したがって、議会認定にかけられる自治体の決算(一般会計、特別会計等)とは、時期的にも、対象とする範囲も異なります。
これは、特別会計の設置が法律によって設置を義務付けられているもの以外は、どの事業を特別会計で処理するかは自治体の裁量にまかされているため、一般会計で処理している事業の範囲が自治体の間で異なっているからで、この点を改めるするために、決算統計では、団体間比較や時系列分析ができるように、普通会計という全自治体に共通する統一的な会計区分を設けており、地方財政計画も地方財政白書も普通会計ベースでまとめられます。
決算カード(決算状況表)とは、各自治体のこの決算統計の主な指標や数値(経常収支比率、財政力指数、公債費比率、人件費比率、特別職の給与、投資的経費のウェイト、歳入の構造、歳出の目的別構造など)を一覧にしたもので、2004(平成16)年から総務省のホームページですべての都道府県、市町村のものが公開されています。
本市では、9月定例市議会時に「普通会計の決算状況」として、決算カード等を説明するとともに、総務省自治財政局長通知(平成17年)により広報およびホームページで市民の皆さんに公表しています。
平成30年度普通会計決算状況の概要について
はじめに
平成30年度普通会計決算(一般会計歳入・歳出総額に賃貸住宅事業特別会計28,180千円を加算したもの)は、歳入が前年度比7.9%増の11,535,938千円、歳出は8.1%増の11,338,874千円となり、歳入歳出ともに前年度を上回った。実質収支は94,799千円の黒字となり、平成18年度以降13カ年連続で財政調整基金の取り崩しを行わずに決算できた。
地方債現在高は、前年度比5.5%増の13,171,799千円(ピーク時は平成8年度の16,397,988千円:ピーク時比△3,226,189千円)。市民1人当たりの負担額は、住民基本台帳人口が307人減の14,302人となったこともあり、66,490円増の920,976円となった。
財政指標のうち将来負担比率は3.6ポイント増の55.6%、実質公債費比率は0.2ポイント増の13.6%となり、経常収支比率については0.8ポイント増の95.0%となった。
普通会計から他会計への繰出し状況
普通会計(一般会計)から、特別会計並びに企業会計への繰出金等(負担金、補助金、投資及び出資金、繰出金)としての総額は2,002,782千円(歳出総額の17.7%)であり、前年度比1.3%減(△26,983千円)となった。
普通会計から他会計への繰出しの状況[PDFファイル/99KB]
まとめ
平成18年度から13年連続で財政調整基金を取り崩すことなく黒字決算を組むことができ、一時期の危機的状況から改善が進んでいる。
財政指標においては、30年度決算では、経常収支比率は95.0%(対前年比+0.8ポイント)と前年をやや上回った。今後は上昇傾向で推移すると推測する。また、実質公債費比率は13.6%(対前年比+0.2ポイント)と地方債発行の許可が必要となる18%を下回っているものの、近年の大型建設事業による地方債の償還のため、今後は上昇するものと推測する。
一方で歳入全体に占める財源割合は、市税収入が13.2%と低い反面、地方交付税は46.0%と交付税への依存度は極めて高い。人口減少がこのまま進めば、市税の増収は大きくは見込めず、地方交付税の動向も不透明であるため、一気に危機的状況に陥ることも想定でき、予断を許さない状況である。
今後は、将来的に持続可能な財政構造を確立するために、引き続き行財政改革の取組を継続しつつ、基金残高を考慮しながらバランスの取れた財政運営に努めることが必要である。