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珠洲復元古窯が完成

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ページID:0001486 更新日:2022年1月17日更新 印刷ページ表示

珠洲復元古窯

珠洲焼資料館敷地内に復元窯が完成しました。(平成23年3月)
どなたでも自由に観覧することができます(無料)。窯内部は堅く焼締まり、鋭利な突起が多数あります。危険ですので、窯内に入らないようお願いします。
年に数回の焼成を予定しています。詳しいスケジュールについては、【お知らせ】のページをご覧ください。

復元窯の概要

この窯は、13世紀前半(鎌倉時代前半)に操業していた寺家クロバタケ3号窯跡(国史跡)をモデルに復元したものです。窯の製作方法も、遺構の痕跡をもとに当時の材料・工法を復元しています。当時、一般的に使われた窖窯(あながま)という種類の窯で、仕切りのない単純な構造でした。他の産地の窖窯の多くは、斜面を掘り込んで造る地下式か半地下式でしたが、珠洲窯は窯体が露出する地上式でした。この形式は、製作に労力がかかり窯の強度も劣りますが、地中に奪われる熱が少なく、緩い傾斜との相乗効果で、燃料の消費が少なかったとみられます。

  • 全長9.8m
  • 全幅3.2m(焼成室最大幅2.0m)
  • 平均傾斜角度10度

窯製作の様子

窯製作の様子の画像

覆い屋根の建設

諸事情により工事開始が大幅に遅れて平成22年12月から始まりました。例年にない積雪によって、工事は難航しました。

地盤工事

地盤工事の画像

敷地は砂丘地で、そのままでは窯が築けないので、窯跡とよく似た山土と入れ替えています。

窯床の掘削

窯床の掘削の画像

窯床の形に10センチ掘り下げます。

窯型積み

窯型積みの画像

木材を井桁組みにして、窯の内型を積みます。当時の構築方法はよくわかっていませんが、10t以上の土の重さに耐え、しかも乾燥に合わせて抜き取ることを考慮し、考案した方法。

窯壁積み

窯壁積みの画像

遺跡の窯壁を参考に、粘土、砂、藁を練った土を叩き締めながら積んでいきます。

窯体の乾燥

窯体の乾燥の画像

約1ヵ月、窯壁が固く締まるまで、毎日叩き締めを繰り返します。急激に乾燥すると、好ましくない方向に亀裂が生じるため、風のある日はシートで覆って、乾燥速度を調節します。

内型抜き

内型抜きの画像

乾燥に従い、窯が収縮するため、自立する程度に固まった頃合いを見計らい、焚口から序々に内型の木材を抜いていきます。

窯内部

窯内部の画像

約半月かけて内型を抜き終わりました。内型の外枠になっていた竹は、壁に食い込んで残っています。竹は、今後さらに壁土が乾燥して収縮する際、壁の変形を防ぐ枠となります。

排煙口

排煙口の画像

中世の窯は、煙突がない点が大きな特徴ですが、この部分の形状も良くわかっていません。口径はこれまでの実験結果から約40センチとしました。珠洲焼は焼成終了時に排煙口をふさぐ必要があるため、操作しやすいように平らな面にしました。