平成23年度 普通会計決算状況

地方財政状況調査(決算統計)について

 決算統計は、「地方自治法等の規定に基づく地方公共団体の報告に関する総理府令」(昭和28年)に基づいて、毎年各自治体で定期的に作成されるものです。実務的には毎年5月の総務省による説明から始まり、それぞれの結果は7月末には総務省に報告されます。したがって、議会認定にかけられる自治体の決算(一般会計、特別会計等)とは、時期的にも、対象とする範囲も異なります。
 これは、特別会計の設置が法律によって設置を義務付けられているもの以外は、どの事業を特別会計で処理するかは自治体の裁量にまかされているため、一般会計で処理している事業の範囲が自治体の間でことなっているからで、この点を是正するために、決算統計では、団体間比較や時系列分析ができるように、普通会計という全自治体に共通する統一的な会計区分を設けており、地方財政計画も地方財政白書も普通会計ベースでまとめられます。
 決算カード(決算状況表)とは、各自治体のこの決算統計の主な指標や数値(経常収支比率、財政力指数、公債費比率、人件費比率、特別職の給与、投資的経費のウェイト、歳入の構造、歳出の目的別構造など)を一覧にしたもので、2004(平成16)年から総務省のホームページで全ての都道府県、市町村のそれが公開されています。

 本市では、9月定例市議会時に「普通会計の決算状況」として、決算カード等を説明するとともに、総務省自治財政局長通知(平成17年)により広報およびホームページで市民の皆さんに公表しています。




平成23年度普通会計決算状況の概要について 

はじめに

 平成23年度普通会計決算(一般会計歳入・歳出総額に、賃貸住宅事業特別会計18,010千円を加算したもの)は、歳入が前年度比2.0%減の11,797,608千円、歳出は2.5%減の11,238,796千円となり、歳入・歳出ともに前年度を下回った。
 実質収支は469,968千円の黒字、実質単年度収支も平成18年度以降6カ年連続で、財政調整基金の取り崩しを行わず決算できたことから、261,886千円の黒字となった。
 地方債現在高は、前年度比4.0%減の12,443,966千円(ピーク時は、平成8年度の16,397,988千円)。 市民1人当たりの負担額は、住民基本台帳人口が351人減の16,833人となったが、新発債抑制や繰上償還等により、16,191円減の739,260円となった。
 一方、財政指数のうち、将来負担比率は前年度比8.1%減の95.7%、実質公債費比率は1.4%減の17.9%、そして経常収支比率も前年度比0.7%減の88.0%と着実に減少している。

1. 歳入の主なるものについて

 地方税は、個人住民税全体では.3.3%減の504,851千円(同比△17,077千円)となった。
 一方で法人市民税は、一部業種、特に製造業に業績好転の傾向がうかがえ、34.8%増の129,328千円(同比+33,398千円)となった。
 たばこ税は、増税効果により平成16年以来の増収に転じ、14.8%増の108,508千円(同比+14,007千円)。結果、地方税全体としては0.9%増の1,730,353千円(同比+15,243千円)となった。
 地方譲与税は、大幅な変動はないものの、2.2%減の129,441千円(同比△2,850千円)。
 利子割交付金は、14.9%減の5,770千円(同比△1,014千円)。
 配当割交付金は、企業業績の影響により16.1%増の2,429千円(同比+336千円)。
 株式等譲渡所得割交付金は、14.1%減の709千円(同比△116千円)となった。
 地方消費税の一部を財源とし、人口と従業者数との按分により交付される地方消費税交付金は、5.1%減の158,636千円(同比△8,520千円)、自動車取得税交付金は14.6%減の32,165千円(同比△5,487千円)。
 また、地方交付税については、普通交付税は3.3%減の4,891,401千円(同比△164,611千円)、特別交付税は0.6%増の865,938千円(同比+4,879千円)となった。
 地方特例交付金については、自動車取得税交付金及び住宅借入金の特別控除による減収を補てんする減収補てん特例交付金の減や子ども手当特例交付金の減により6.6%減の33,046千円(同比△2,334千円)と減となった。
 分担金及び負担金は、インドネシア人漁業研修生受入金、携帯電話等エリア整備事業者負担金の減などにより39.4%減の15,567千円(同比△10,109千円)。
 財産収入は、預金利子は大幅な減収となったものの、財団法人珠洲市スポーツ振興事業団の解散に伴う出捐金の返還(20,000千円)等により4.2%増の46,484千円(同比+1,867千円)。
 国庫支出金は、安全安心な学校づくり交付金の減等により5.8%減の1,161,036千円(同比△71,838千円)。
 県支出金は、移動通信用鉄塔施設整備事業費補助金等の減により6.0%減の655,013千円(同比△41,862千円)。
 繰入金は、昨年同様、財政調整基金からの取り崩しがゼロであった。また、減債基金の取り崩しによる増(185,288千円等)により、24.3%増の235,938千円(同比+46,055千円)。
 繰越金は、純繰越金等の増により84.2%増の311,608千円(同比+142,484千円)となった。
 諸収入は、市町村振興協会臨時交付金の増等により、30.1%増の161,511千円(同比+37,361千円)となった。
 市債は、耐震補強事業費(小学校)の減(△287,700千円)、宝立中学校大規模改造事業費の増(+181,400千円)等により、14.4%減の1,096,100千円(同比△184,600千円)。また、臨時財政対策債が16.3%減の350,100千円(同比△68,100千円)であり、国の示す地方税・地方交付税・臨時財政対策債を合計した一般財源等の総額は7,277,916千円(3.2%減、△237,043千円)と大幅に減少し依然厳しい状況にある。

2. 歳出について

 義務的経費のうち人件費は、退職者数の増(平成22年度17名、平成23年度19名)および職員数の減(平成22年度217名、平成23年度208名)等により7.6%増の1,976,494千円(前年比+140,131千円)。内容は退職手当が53.2%増の426,128千円(同比+148,046千円)、職員給が3.3%減の1,096,221千円(同比△37,140千円)となった。
 公債費は、過年度債の繰上償還(+185,288千円)により、4.0%増の1,802,736千円(同比+69,666千円)となった。
 物件費は、2.8%増の1,129,839千円(同比+31,217千円)。
 扶助費は小児医療費助成事業等の増で5.4%増の787,233千円(同比+31,217千円)。
 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費の合計は、5.8%増の4,566,463千円(同比+249,937千円)となった。
 維持補修費は、道路維持補修費(除雪費含む。)等の増で9.9%増の205,245千円(同比+18,420千円)。
 積立金は、地域振興基金積立金16,419千円、消防庁舎建設準備基金積立金300,000千円と減債基金積立金の皆減(△227,814千円)等により、41.4%減の328,611千円(同比△232,468千円)となった。
 投資的経費のうち普通建設事業は、9.5%減の1,917,109千円(同比△201,640千円)となった。
 補助事業の増加要因として、耐震補強事業費(中学校)268,207千円の増が主である。減少要因では、耐震補強事業費(小学校)で586,183千円の減などが挙げられるが、全体では9.2%減の1,190,329千円(同比△120,545千円)。
  単独事業では、地域活力基盤創造交付金事業(83,992千円)や地域活性化・きめ細かな臨時交付金事業(110,481千円)の皆減、地域活性化・きめ細かな交付金事業(+117,374千円)、地域活性化・住民生活に光をそそぐ交付金事業(+110,160千円)の増等により、6.5%減の571,469千円(同比△39,592千円)となった。
 災害復旧事業は、平成23年災害復旧事業によるものがほぼすべてを占め、32.3%増の144,794千円(同比+35,348千円)。
 その結果、投資的経費全体では7.5%減の2,061,903千円(同比△166,292千円)となった。

3. その他

 普通会計(一般会計)から、特別会計並びに企業会計への繰出金等(負担金、補助金、投資及び出資金、繰出金)としての総額は1,844,623千円(歳出総額の16.4%)であり、前年度比7.0%減(△138,191千円)となった。減少の主な要因は病院事業への基準外繰出の減(△69,500千円)、国民宿舎事業への減(△30,349千円)など。

まとめ

 平成18年度から6年連続で財政調整基金を取り崩すことなく黒字決算を組め、一時期の危機的状況から改善が進んでいる。 
 財政指標においても、経常収支比率88.0%(対前年度比 △0.7%)と、一時期と比較すると数値は低下傾向にある。 また、実質公債費比率は17.9%(対前年度比 △1.4%)と、地方債発行の許可が必要となる18%を平成17年度の指標導入以来、初めて下回ることができた。
 一方で、歳入全体に占める財源割合は、市税収入が14.7%と低い反面、地方交付税の割合は48.8%と交付税への依存度は極めて高い。人口減少がこのまま進めば、市税の増収は大きくは見込めず、地方交付税の大幅な削減も考えられるため、一気に危機的状況に陥ることも想定でき、予断を許さない状況にある。
 今後は、中長期的に施策を支え得る財政基盤を確保するため、財政調整基金など、財源として利用可能な基金の残高を極力維持しつつ、引き続き行財政改革の取り組みを継続することが必要である。